セミリタイアと小商い
失業して無職になってから、「これからどうしよう?」って毎日毎日考えてた。
このブログを書き始めて5年と数ヶ月経つけど、過去記事を読み返して「どんなこと考えてたのかなあ?」と振り返ったりした。
こういうときブログ書いてると(ローカルの日記でもいいが)当時の気持ちを思い出せたりして、なかなか悪くない。
それで、もっともっと以前のことにも思いを巡らせた。
10年前とか、20年前とか、30年前とか・・小学生くらいまで遡って、思い出を呼び起こしていた。
原点に戻ろうって思った。
自分が何を好きで何をしたかったか、お金とか生活とか関係なく何をしたかったのか、それは何だったのか?ってのを考えていた。
私は「やりたいことがない」とか「夢がない」という日々ではなかった。むしろそれらがあったからこそ、正しいレールに乗った人生を歩めなかったという側面もある。
振り返ってみると、10代、20代頃の自分って、本当に無知で馬鹿で世間知らずだった(まあ、今も同じようなもんだけど・・)
若い頃はよかった。でも次第に年をとって現実が見えてくる。中年に近づいていくにつれ、とりあえず思考停止して働いて、老後資金を貯めることで日々をやり過ごし、自分を納得させるようになった。
でも、今回、40代中盤という年齢で、思いがけないかたちで職を失い呆然と立ち尽くすなかで、いまいちど自分は一体どうしたかったか?という心の声に真剣に耳を傾けようと思った。
そうだな。
セミリタイアと小商いっていうのがしっくりくる。
若い頃、古本屋の店主っていいなって思ってた。トレーシングペーパーみたいな薄紙でカバーされた古書が並ぶ棚。すれ違うのに苦労する狭い通路。そこかしこに堆い本の山・・。
かつて街中にあった幻想文学だらけの古本屋。古いレアなマンガが宝探しのように散りばめられた店内、ずっと探してた絶版の本を棚の奥から発見したときの飛び上がりそうな喜び。
特定のジャンルにこだわったニッチな書店もいいなあ。楽しいだろうなあ、自分が好きなジャンルを新刊・古本問わず置く本屋。
あとは、カフェギャラリー。貸し画廊兼喫茶。ユニークな雑貨や世界にただひとつの置物とかを集めた雑貨店。
ああ、自分って、ずっと小さなお店っていうのに惹かれてきたのかもなあ?
若い頃好きだったのってそういうものだったなあ。純喫茶、カフェギャラリー、古本屋、雑貨店、骨董屋、文房具店・・。
自分の原点ってそういう「小さなお店」ってやつかもしれない。
「小商い」っていうのが自分にしっくりくるような気がした。別にお店(実店舗)に限ったわけではなくて、自分ひとりではじめられる小さな商い。
まるで小さなお店のような、自分ひとりの小商い、空間、居場所。拠り所。
自らアイデアを出し、自ら手を動かして何かを作り出す小商い。
↑この本では、様々な小商いのケースが紹介されていて、もう10年近く前の本だけど、結局こういうことなんだろうなって、今ストンときている。
以前こちらの記事↓でも紹介した『ナリワイをつくる』と同じ著者による本で、そのスピリッツには共感する部分が多い。
セミリタイアと小商いって、かなり相性いいんじゃないかと個人的に思う。
自分のやりたかったことって、好きなことで小さく稼いで小さく暮らすってことなんだよ、やっぱり。