まさかの自社競合?私は、かませ犬?【40代・派遣の職場見学(顔合わせ)体験談】
昨年、40代にして派遣の仕事を探していたとき、思った以上に苦戦し、職場見学(顔合わせ)にて落ち続けていた。
職場見学で不採用だった理由は、すべて「他社競合」だった。派遣営業からもそのように伝えられた。
ただ・・不採用だった案件のうちのひとつについて、私は、実は「他社競合」ではなく「自社競合」だったのではないか?と思っている。
どのような点でそう思うのか。昨年の職場見学を振り返りつつ、書いていきたいと思う。
これは自社競合か?
エントリーしてから、すぐに派遣会社から折電がきて、とんとん拍子に職場見学まで進んだ案件。以前も書いた通り、当時の私は派遣会社A社しか登録しておらず、A社のサイトで見つけた案件だ。
誰もが知る大手企業。エントリーしてから職場見学まであっという間に決まり、順調に思えた。順調すぎてこわいほどだった。しかし、なぜか手放しで喜べないような、ちょっとした違和感があった。
「何かある・・」
妙な胸騒ぎがあった。疑惑・疑念のような・・。派遣会社の営業やコーディネーターの言葉を鵜呑みにしてはいけないと常々思っているので、何か腑に落ちない感情があった。これはもう直感としか言いようがないのだが・・。
そんな気持ちを抱えながらも、職場見学(顔合わせ)に臨んだ。A社の派遣営業は30代中盤くらいの女性。見た目の雰囲気や話し方など、とてもきちんとした印象だ。サバサバしていて頼れる姉御って感じかな(実際には私のほうが年上だと思うが・・)
ん? 私の杞憂だったか?妙な胸騒ぎはただの気のせいか?
職場見学という名の面接(本来は違法)がはじまって、しばらくして、企業側の担当者が耳を疑う発言をした。
同席しているA社の派遣営業に向かって、
「今回は〇〇線の人が多いね!3人目くらい?」
と話しかけたのだ。
通勤経路を聞かれ、私が「〇〇線を利用しています」と答えたときのことだ。
ん?
ん?ん?ん? それってつまり・・今回複数面接していて、その人たちに〇〇線を利用している人が多かったということだよね?
しかも、それを同席している派遣営業に話しかけるってことは・・A社から職場見学にきた人たちが私の他にも複数いるってことだよね?
え!?この案件。
他社競合どころか、自社競合ってことかああああ!!
他社競合どころか自社競合だった!!!
つまりはこの案件は、おそらくA社から複数候補者を出し、企業側に選んでもらうという選考方法だったようなのだ。
これは、他社競合よりも悪質だ。自社競合。どちらも違法であることは間違いないが、派遣スタッフにとってあまりに不利益すぎる。
妙な胸騒ぎ、疑念・・。当たっていた。つまりは、とりあえず職場見学に行かせてもらえただけのかませ犬。それが私。
企業側の担当者がファイルをバサバサ整えたとき、他の派遣スタッフのスキルシートがちらっと見えてしまった。どうやら時間をズラして1日で複数人を面接(←もう面接って書いちゃうよ)していたようだ。
想像するに、まずA社からの本命スタッフがいて、他に企業側の求める人材とはちょっと外れたスタッフ(私も含む)を複数用意したんじゃないかな?
スムーズに職場見学まで行けた!と喜んでいた自分がピエロのように思えた。実際は、本命のスタッフを際立たせるためのかませ犬だった可能性が高い。
職場見学で、企業側の担当者とのやり取りの中、すれ違い感というか・・この案件、私とマッチしていないのでは?ということを度々感じた。
一番、「は?」と思った企業側担当者からの質問は、以下のようなものだ。
「男性と女性、どちらと仕事をしやすいとご自身は感じますか?」
は?って思うよね。どういう意図の質問なのかと。ただまあ、私は、このように答えた。
「性別は特に関係なく、どのような方とも仕事をしやすいように心がけております」と。
そしたら、その返答はなんだったと思う? なぜかふふっと意味ありげな笑みを浮かべながら、
「男が相手のほうが得意とか言われちゃったら困っちゃうもんねえ〜♪」
・・はい?
耳を疑った次第だ。これ、アウトだよなあ。立派なセクハラ発言だよな。
企業の担当者は2名いたのだが、うち1名の担当者(男性)がけっこうセクハラ的発言が多く、コンプラ違反じゃないのか?と度々思った。私の容姿についても触れてきた。ありえんよなあ!?どう考えてもNGだよ・・。
おそらく50代くらいの部長クラスの人間のようだったが(簡易な組織図のようなものを見せてくれた)こんな時代錯誤で昭和を引き摺ったような人間が上だと、あまり風通しがよくない職場の可能性が高そうだ・・。
もう1名の40代前半くらいの男性担当者は、セクハラ的発言が50代担当者から出るたびに、同調することもなく、かといって諌めることもない。なぜか下を向いて無言になっている。おそらく、この40代男性が直接の指揮命令者のようだが、明らかに企業イメージをダウンさせるコンプラ違反のセクハラ的発言を容認しちゃってる時点で、お察し・・といった感じだ。
まあ、職場見学での印象とか、セクハラ的発言に集約されるように、企業側がほしいのは30代前半くらいまでの若くてカワイイ男受けする”女の子”のようだ(←あえて”女の子”と書いた)
自分完全にターゲット外ですやん。圏外にもほどがあるですやん。
なにもかもがミスマッチですやん
もう〜、A社の姉御な派遣営業ったらあ〜☆ それわかってて職場見学を設定したんだなと思い、苦々しい気持ちだった。
まあ、そういうことで、同じ派遣会社から複数の候補者を出して企業側に選んでもらうという自社競合ってこともあるのだなと。
まだ他社競合のほうがマシだよ・・。
不採用にもさまざまなケースがある
後日、案の定「残念ながら他社の方に決まってしまって・・」とA社の派遣営業からお断りの連絡がくるのだが、内心では「おのれらA社の派遣スタッフの別の者やろ!他社じゃないじゃろ!」とはげしく突っ込んでいた。
そういうことで、不採用にも様々なケースがあって、他社競合どころか、自社競合という場合があるということがわかった。
今回たまたま企業側の担当者の不用意な発言により自社競合ということがわかったのだが、気づかないだけで案外少なくないのかもしれない。
自社競合の場合は、おそらく取引する派遣会社を絞っている企業なのかもしれない。実際に職場見学に行くまでわからないことは多そうだ。
最終的には、自社競合かどうかは運次第だと思う。派遣スタッフ側には何の手立てもないというのが正直なところだ。
にしても、そんなに選り好みしたいのなら、派遣会社など通さずに直雇用で募集をかけてくださいと思う。そして、正々堂々と納得いくまで何人も面接して決めればいいのでは?
誰もがその名を知る大企業でありながら、堂々とコンプライアンス違反、セクハラ発言。不採用にした応募者も、別の角度からみれば、顧客だということをどうぞお忘れなく。