不採用が前提の職場見学(顔合わせ)が存在する?【40代・事務系派遣案件の違和感】
昨年、派遣の仕事を探していたとき、職場見学(顔合わせ)にて数回落ちた。
↑この記事で書いた通り、不採用だった職場見学は、すべて他社競合だった。とはいえ、このうちの1件の職場見学にて、私は強烈な違和感を実は覚えていた。
つまりは・・最初から、採用するつもりなどなかった派遣案件だったのでは?という疑念だ。その違和感の正体について、当事者として考察してみた。
職場見学の日程がかなり先&派遣会社アシスタントの歯切れの悪い説明
以前の記事でも書いたが、当時の私は、派遣会社A社のみで求人を探していた(※2019年当時、交通費支給案件が多かったため。2020年4月からの同一労働同一賃金により、現在はほとんどの派遣会社で交通費支給がデフォルトになっている模様)
そんなA社のサイトで見つけた案件。
事務系の案件で、都内とはいえいわゆる利便性に富んだエリアではなく、そんなに人気がない案件なのかな?といった印象だった。
私としては、自分の条件にマッチすると思えたので、エントリーした。
エントリー後、社内選考に通り、職場見学の日程も決まったのだが、2週間後という設定だった。そこにまず違和感があった。
私の体感で言うならば、社内選考に通ったあとは、わりとスムーズに近い日程で職場見学に進むイメージだったので(これまでがそうだった)、ずいぶん先だなあと思った。
また、電話での派遣会社のアシスタントの業務内容等の説明に歯切れの悪さを感じたり、私が質問したことについて、ちょっとお茶を濁すような会話が続いたりして、その点でも違和感があった。
違和感を覚えた時点で、職場見学を見送ればよかったのだが、当時の私は、とりあえず行ってみる選択をしてしまった。
派遣会社A社からは誰も就業していない派遣先
違和感がさらに増したのは、職場見学当日、企業のエントランスにて、派遣営業担当者と本日の流れについて打ち合わせをしていたときだ。
派遣営業は、とても若い女性で、おそらく新卒だったのではないかと振り返って推測する。
電話でアシスタントの方には聞けなかった詳細を、営業担当の彼女なら詳しいだろうと思い、いろいろ質問してみた。
「こちらの企業には、A社からは何名くらい就業しているのですか?」
確か、求人では派遣社員が複数就業しているとのことだったのだが、その返答に言葉を失った。
「実は、A社からは今まで誰も就業していないんですよ。支店(営業所)には、1名就業されている方がいらっしゃるのですが・・」
・・ん!?
ってことは、つまりは、この企業(派遣先)ってA社(派遣会社)の主要なお取引先じゃないってことになるよなあ?
つまり、ほぼほぼ新規開拓案件ってことか?
この企業の主要の取引先である派遣会社は他にあり、A社の枠はほぼほぼないってことのように感じた。私が職場見学に行ったのは本社の案件で、支店にはたった1名だけA社の派遣社員がいるとのことだが、企業規模からしてあまりにA社のシェアがなさすぎる・・。
これ、ひょっとして負け戦か?と思ったが、ここまで来ちゃったので、仕方がない。
派遣先担当者からの見当はずれの質問攻め
職場見学は、2名の担当者だった。50代くらいの男女。
A社の若い派遣営業担当者はただ隣に座ってるだけで、ほぼ私と派遣先の担当者2名のガチ面接といった様相を呈していた。
業務内容など詳しく説明してはくれたのだが、私に対する質問タイムになると、違和感の連続だった。
なぜか派遣先の担当者からは見当はずれの質問ばかりだったのだ。
募集している派遣案件とはまったく接点も関係もない、もう10年以上前の私の職歴について、やたらに聞いてくる。
他社競合で採用する人を真剣に選んでいるというのなら、募集している案件に関連のある業種・職種について聞いてくるだろうし、Excelスキルがそこそこ必要な案件だったのでスキルの確認があってもいいはずだ。
それなのに、一切そういったことには触れず、まったく募集案件とは無関係な私の過去の職歴などについて、根ほり葉ほり聞かれた。
私の直近の業種・職種は、募集案件と若干関連があったので、その辺りを聞いてくれてもいいのに、そこは一切スルー。
まるで新卒の面接みたいな、ぼんやりとした質問がやたらに多い(あなたの長所・短所は?あなたの強みは?といったような・・)
私がこの案件に応募したのは、自分の条件にマッチしたと思ったからだ。それ以上でもそれ以下でもない。
派遣社員はスキルと経験でマッチすればよくね?
(だって長くても3年でポイするんですよね!?)
派遣案件に応募してきた40代の私に、今さら新卒の正社員面接みたいな質問投げて、人のこれまでの職歴を面白おかしく興味本位で聞いてくるんじゃないよ。
そう、興味本位。
その言葉がしっくりきた。特に私は職歴が非常に多いため、はしょったとしてもけっこう多いため、ちょっと見下したような、憐れみさえ滲ませたような、「あらあら、いろんなお仕事をなさってきて大変でしたねえ」と、内心ニヤニヤしながら、笑っているような下劣さを感じた。
おそらく最初からA社から派遣社員をとるつもりなどなく、興味本位で人の半生を面白おかしくジャッジする、そんな職場見学に思えた。
私としては、正直に言うと、不快だった。
とはいえ、不愉快な気持ちをおもてに出すことなく、投げられた質問には真摯に返答したし、自分なりに感じよく対応できるように心掛けたつもりだ。
(それにしたって、派遣の事前面接は違法だというのに、職場見学という名目で完全なる面接がまかり通っているのが現実なんだよなあ・・)
職場見学終了後、企業の担当者のところに戻らない派遣営業
派遣の職場見学を経験されている方ならご存知だと思うのだが、職場見学終了後、派遣会社の営業担当者は、派遣スタッフを見送ったあと、もう一度、企業担当者の元へ戻るのだ。
なぜかって?
企業の担当者に、「いかがでしたか?うちの派遣スタッフは?」と確認するためだ。
これまで、複数職場見学を経験してきたが、すべてエレベーターホールやエントランスなどで派遣営業が私を見送ったあと、もう一度戻っていくパターンだった。
それなのに、この案件は、若い派遣営業の女性は、もう一度戻ることなく、そのまま帰ったのだ!
彼女は、私とは別の駅へ向かうと言って、企業のビル前で別れた。
え?と思った。
いやいやいや。そこは、面談してくれた企業担当者に、確認しに行かなくていいのか!?と。
そこでも、違和感があった。
(まあ、時間の都合などで、もう一度確認しに行かない場合もあったりするのかもしれないが・・)
結果は当然不採用「他社で決まりました」
職場見学後、「この企業では働きたくないなあ・・。すぐに辞退しようか?」とすら感じたのだが、私は確認がしたかった。
自分が不採用だということを。
この案件は、もともとA社からとるつもりなどなく、他の派遣会社に枠がある案件だったのでは?という疑念を。
案の定、2日後、決まらなかった旨の連絡がきた。若い派遣営業の女性に「差し支えなければ、今後のために理由を教えていただきたいのですが・・」と確認したところ、
「残念ながら、他社さんに決まってしまい・・」
との型通りの返答だった。
それ以上は、もう何も聞かなかった。「わかりました。」といって電話をきった。
不採用が前提の派遣案件
ここから先は私の推測でしかないのだが、この案件は以下のようなものだったのではないかなと思っている。
・もともと懇意にしている派遣会社が別にあり、A社からの枠はなかった
・新卒の派遣営業の職場見学の練習台に利用された
・A社の派遣先企業への顔つなぎとしての職場見学だった
・A社から採用するつもりはなくても、A社に求人を載せることで、何か密約、お金が発生している?
・A社から採用するつもりはなくても、職場見学に対応することで、何か密約、お金が発生している?
もちろん、私のスキル、年齢、経験、職場見学時のイメージ等で、選ばれなかったという可能性は大きい。私のイメージや態度が悪印象だったと言われてしまえばそれまでだ。
ただ、この案件に関して、もし私のスキルや経験の点で不安な部分があったなら、そこらへんの確認があってもいいのに、前述した通り、募集案件とは無関係なことばかり聞かれた。
(職歴が多くてNGだったというのなら、書類選考で職歴が記されたスキルシートを確認した時点で、職場見学を断ってくれてよかった・・)
まるで時間稼ぎの、やることに意義のある職場見学って感じだったんだよなあ。最初から採用するつもりなんかないので、興味本位でいろいろどうでもいいことを聞いてきたんじゃないかな?
つまりは、私の度重なる違和感に間違いがなかったのだとしたら、
最初から不採用になることが決まってた案件だった
ってことのように思えた。
職場見学で決まらない理由は様々だと思うのだけど、今回の私のようなケースの場合も意外に多いんじゃないかなあ。
つまり、すでに取引する派遣会社が決まっている企業に、新規開拓や顔つなぎみたいな感じで行く職場見学に、偶然ぶちあたってしまったっていうような・・。
派遣営業の職場見学の場数を踏むための練習台になってしまったっていうような・・。
この案件は、他の複数の派遣会社のサイトに求人が載っていたのを確認しているんで、その中のどれかに懇意にしてる派遣会社があったんじゃないかなあ。
そもそも、社内選考の時点で「A社から今まで誰も派遣されたことない」とわかってたら、職場見学は辞退したと思う。
職場見学まで進んで結果がダメだと、時間や労力を無駄にするだけでなく、精神的ダメージも大きくなってしまう・・。
モヤモヤが残った職場見学だったが、度重なる違和感がある場合は、職場見学前に辞退するという選択もアリかもしれないと感じた(きちんと理由を伝えて・・)
自分の直感を信じる。妙な違和感やうまくいえないけど何かひっかかるってときは、今までの経験上、やっぱり当たってるんだよなあ。
派遣の仕事探しについて書いた記事も併せてどうぞ↓