派遣社員として同じ派遣先であまりにも長く働き続ける弊害【勤続年数10年以上の派遣メンバーたち】

2020年10月9日

派遣社員として、同じ派遣先で10年以上働き続けているってことについて、どう思う？

以前も書いた通り、派遣3年ルールで契約満了（雇い止め）となった派遣先の派遣メンバーたちは、勤続年数が非常に長く、2名は約15年、1名は8年ほど働き続けていたため、ちょっと感覚がおかしくなっていたのかな？と感じるんだよ。

部外者なのに、正社員感覚

長年同じ派遣先で働く彼女たちに対して、派遣社員という部外者でありながら、まるでその企業の社員であるかのような、ちょっと言い方は悪いが「偉そう」「勘違いしてる」ような感覚になってしまっていたのかもなあって、客観的に見ていて感じていたのだよ。

とても驚いたのが、クレジットカードを作る際の申込書について、勤務先に派遣先企業名を記入しているといったことを聞いたときだ。

基本、派遣社員がクレジットカードを作成する際は、勤務先には派遣会社を記入する。申込書によっては、派遣先、派遣元両方書く欄がある場合もあるが、派遣社員は派遣先の直雇用の社員ではないため（派遣先から給料をもらっているわけではないため）派遣元である派遣会社を記入するのが原則だ。

それなのに、同じチームメンバー青森さん（仮名）は、堂々と「派遣先企業名書いてます♪」と言っていたのでドン引いた。

いやいやいや・・我々派遣社員で部外者だから・・それある意味詐称だから、と心の中でつっこんだが、当時の私は、チームメンバーが何かおかしなことを言っていたり認識違いをしていたりしても、あえてスルーしてきた。

いちいち指摘して関係が悪くなるのを恐れたし、私は下っ端だったので、勤続年数が長すぎて独自ルールを持つ彼女たちに抗うことのできない立場なのだから、どんなことも知らないふりをしてスルーするほうがいいだろうと思ったからだ。

こう言ってしまっては悪いが、彼女たちは同じ派遣先で15年くらい働き続けて、プチ裸の王様になってしまったのかもしれない（”プチ王様”っていうのはちょっと違うかな・・そもそも派遣社員自体が奴隷みたいなもんなのに、王様だなんて変な表現だ。”裸の家臣の長”って感じかな？）

私からみて、彼女たちはきちんと仕事ができる人たちという認識だが、いわゆるスキル的な部分でいうならば、この派遣先で長きに渡って働き続けているからこその、この派遣先に対応した特殊な経験に基づくスキルであって、他社に行った際にはそれほど発揮できる種類のものでもないように、実は感じていた（←私自身、たいしたスキルもないくせに、自分を棚に上げた発言をお許しいただきたい・・）

でも、おそらく彼女たちはそれに気づいていない。自分たちを優秀と疑わない。いつも笑顔で周囲に気を配れて控えめで謙虚で与えられた仕事を文句も言わずこなす・・。そのように自負しているように見受けられた。

けども、私からみて、同じ派遣先での同じ業務に胡座をかき続けているように、少なからず感じられた。そりゃあ、同じチームでずっと同じ仕事をしてりゃ、やり方など少しずつ変化していったとしても、当然できるに決まってるよなあ。

それ、仕事ができるというよりは、長くやってるから慣れてるってだけなんだよ・・。その慣れをイコール自分たちはできる！と勘違いしてしまってる、過信している節があるように見受けられた。

若干謙虚な井の中の蛙・・そんなフレーズが脳裏をチラつくのだ。

派遣社員から正社員（直雇用）への道はほぼ閉ざされている派遣先

3年ルールで終了した派遣先で、派遣社員から正社員になったという人は、私が知る限り1人もいなかった。直雇用の契約社員になったという人すら聞かない。

（紹介予定派遣で入り、契約社員になった人は数人いたようなのだが、有期契約で期間を満了して皆去っていった・・。契約社員から正社員への転換もないようだ）

我々のチーム以外でも20年近く派遣社員として働いている人たちは少なくなかったが、誰1人として直雇用にはならず、派遣社員という雇用形態のまま長い年数働き続けていた。

そう、この企業は、よほどの特例がない限り、どんなに長く勤務し続けても語学やPCスキルに優れていても派遣社員を直雇用にしない方針なのだと思う（特例とは・・おそらく強力なコネ、後ろ盾的なものだ）

私以外の3名は、派遣3年ルールの抵触日を機に無期雇用派遣社員となった。おそらく現在も同じ派遣先で無期雇用の派遣社員としてぬるっと働いているはずだ。

何も感じないのだろうか？

彼女たちは今では勤続20年近くになると思われるのだが、そんなにも長い期間、派遣先企業で働き続けていながら、ずっと派遣社員という待遇のままいいように扱われていることに疑問はないのか？誇りはないのか？

甚だ疑問だよ。確かにとても労働環境がよく、プライベートを充実させながら働くには最適すぎる派遣先ではあったが・・

虚しくはないのか？

そんな風に便利に都合のいいように扱われて、ずっと部外者のまま、長年働いてもずっと同じ立場のまま・・。

本来なら10年以上も派遣先で貢献し続けている彼女たちは、直雇用になってしかるべきだと思うんだ。それなのに、そういった対応を取らない派遣先企業って不誠実だ。無期雇用の派遣社員のままこれからも働いてね♪だなんて、都合よすぎるだろ？

もっと自分たちの置かれている状況、扱われ方と正面から向き合って、本来なら憤りを感じるところだろ？踏みにじられてんだよ？あんたらの長年に及ぶ労働は。全然認められちゃいないんだよ。それを「派遣先でよくしてもらっている♪」だと？

なんか悲しい。私からは彼女たちはそのように映っていたけど、きっと彼女たちは自分たちのことをそんな風には思っていないだろう。

（それどころか、私に対して「職を転々としていて可哀想〜☆、自分たちはずっと同じ場所で働けて恵まれてる！よかったあああ☆☆」と思っているらしいことは会話の端々から感じられた・・）

長年同じ派遣先で働き続けるということ

私は一つの職場に最長で3年しかいたことがないので、同じ職場で長く働き続ける感覚っていうのがよくわからんのだが、正社員ならいさ知らず、派遣という立場であまりに長く同じ職場で働き続けてしまうと、感覚がおかしくなるのかな？といった気はした。

正常な判断を下せなくなる。自ら環境を変えようとしなくなる。そこそこいい派遣先だとそのままぬるま湯に浸かったままになる。

もちろん、長年同じ派遣先で派遣社員として働いている人たちには、様々な状況があって理由があって、正直、私が目の当たりにした派遣メンバーたちみたいなパターンはかなり特殊なケースのように思われる。

だから、私は、私が実際に見た長年同じ派遣先で働く派遣メンバーたちにおいて上記のように感じたまでで、すべての長年同じ派遣先で働き続けている派遣社員の方々に対して、同じようには思わないということだけは、断っておく。

一口に「長年（10年以上）同じ派遣先で働いている」といっても、業務内容や派遣先での当人をめぐる状況はそれぞれ違っており、また仕事に対する向き合い方・考え方も、当然それぞれ異なると認識している。

例えば、長く派遣で働き続ければ直雇用の道が開けるといった派遣先では、また状況はまったく違うと思われる。

まあ、平たくいえば、3年間、勤続年数の長すぎる派遣メンバーたちと一緒に働き続けてきて、とにかくダメージが大きすぎたことが、私の彼女たちに対する認識を非常に厳しく悪いものにしたのだということは、自分でも承知しているところだ。

いやはや、もう、この派遣先を去ってから1年半以上経つのに、まだ思い出しては怒ったり苛立ってるとは・・。

我ながらしつこい！と思うと同時に、よっぽど自分にとって打撃が大きかったんだな、彼女たちを嫌いだったんだな・・っていうのを、痛感している次第だ・・。

てっきり職場を去ると同時に忘れていくと思ったのに、未だ腹が立っているだなんて、我ながら苦笑する。本当、どんだけ嫌いだったんだよ・・って再確認しているところだ。

まあ、こうやってブログにだらだら書くことで、気持ちを整理している感じだ。