派遣先が中小企業の案件を職場見学後辞退した理由【40代・派遣の職場見学(顔合わせ)体験談】

派遣社員として働く場合、派遣先企業が中小企業ってどう思う?

昨年、求職活動をしていた頃、派遣先が中小企業の案件の職場見学へ行き、最終的には辞退した。

個人的には、派遣社員として働くなら、就業先に中小企業は避けたいと考えている。職場見学での体験談を交えながら、その理由を書いてみたいと思う。

派遣先が中小企業だと・・

派遣会社の登録会にて紹介された案件。トントン拍子に職場見学の日程が決まった。

都内とはいえ、いわゆるオフィス街からはずれた住宅街がひしめくエリアで、派遣の相場でいうと時給も若干下がってしまうエリアなのだが、なぜかこの案件、そこそこ高時給だった。
都内のオフィス街に通うには交通費が月2万円以上かかってしまう自分にとって、通勤費が抑えられ通勤時間も短縮できるので、「おお、こんな案件なかなか見ないぞ」と、期待を胸に職場見学に臨んだ。

(※2019年の職場見学当時は、交通費が支給されない案件だった。2020年4月からの同一労働同一賃金で、現在は、ほとんどの派遣案件において交通費支給となっている)

と同時に、懸念があった。

というのは、派遣先が中小企業だったからだ。

派遣社員として働くのなら、大手企業のほうがいいと個人的には考えているので、そこは気がかりだった。
正社員と同等の責任を押し付けられ、その上雇用形態で差別される・・派遣社員として働くにはデメリットしかない。そんなイメージがついてまわった。

予感的中!中小企業は派遣社員の受け入れに慣れていない

職場見学(顔合わせ)の際、企業側の担当者の人数ってどのくらいだろう?

私の経験上、これまで2、3人の担当者が同席して面談ということが多かった。実際、それくらいの人数が妥当だと感じる。

ところが、この会社、なんと応接室に6人やってきた!
ろ、六人!?
正社員採用ならいさしらず、派遣の職場見学にこの人数は多すぎやしないか!?と、かなり戸惑った。

そして、開口一番に言われた言葉に耳を疑った。

「他の派遣会社にも複数お声がけしておりますので、その中から選びます。ご承知おきください」と。

こ、これはありえない!

というのは、他社競合・自社競合がまかり通っているのは暗黙の了解だとしても、本来ならば違法である事前面接であるのに、堂々と企業側がそれを求職者を前にして宣言してしまうという無知っぷり。

「あー。この企業、派遣の仕組みをまったく理解していない。この会社で働くと面倒なことになりそう・・」内心そのように感じて、一気にテンションが落ちていた。

質問禁止事項「年齢」を直球で聞かれた

テンションだだ下がりだったが、とりあえず平静を装い、職歴などの説明が終わって、企業側からの質問タイムとなった。

そこで、まさかの質問が飛んだ。

「年齢を教えてください」

は、ハアアアア???

いやはや、本当にこの企業の方々は、派遣の職場見学というものがなんなのか理解していないようだ。
派遣社員個人を特定するような質問は禁止だ。よって当然年齢を聞くなどありえないことだ。

もちろん直雇用の社員採用面接ならば、名前・年齢・住所等の個人情報は履歴書に記載されており、開示されている。

が、派遣の職場見学(顔合わせ)において、個人を特定するような情報について、基本、企業側は質問してはならない。

労働者派遣(紹介予定派遣を除く。)の役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない。(労働者派遣法第26条第7項)

これまで様々な企業の職場見学を経験してきたが、一度も年齢について聞かれたことはなかった。当然、既婚・独身かなどについても聞かれたことはない。
(本来、派遣は即戦力なので、スキルや経験・資格でマッチすれば問題ないはずなんだ)

企業側が派遣会社に仕事をオーダーする際、求めている人材の年齢については、ある程度伝えていると想像する。例えば、30代までとか、35くらいまでとか、40前後とか、おおまかな感じで。
この案件がどういったオーダーだったのか不明だが、職場見学の場で直接年齢を聞いてくる企業は今まで1社もなかっただけに、耳を疑った次第だ。

衝撃だった!

聞かれた以上、答えたわけだが、その後、企業側の担当者たちが無言になること数秒。かなり長く感じた。

おそらく、もう少し若い人(30代くらいまで?)が欲しかったのではないか。
思った以上に私が歳を食っていたので、黙り込んでしまったといった様子だった。ある意味、正直な人たちだ。

そして、「同じようなスキルだったら若い人のほうがいいよな・・」という40歳での求職活動の現実をまざまざと突きつけられた気がした。

これまでも理屈では理解していたつもりだったが、実際、目の前で年齢を答えた途端、沈黙が訪れるという状況に遭遇してしまうと、「うっわ、これがリアルか!」という感想しかでてこなかった・・。

フロア全体を案内してくれた

この企業の方々は、とても真剣に採用する人を決めたいという姿勢で、派遣の職場見学をいわゆる社員採用の面接のようにしてガチガチに行ってしまったのだと思う。

でも、だったら、派遣じゃなくて、直雇用の社員を雇えばよくねえ?と心の中で百万回思った。

面談後、フロアを案内してくれて、トイレやロッカー、給湯室など見て回った。社員の方々は、決して感じ悪くはなかった。職場見学といいながら、実際に働くエリアを丁寧に案内してくれた会社はほとんどなかったので、そこはいいなと感じた。

ただ、残念ながら、この企業の方々は、派遣の職場見学というものをよく理解しておらず、派遣社員の扱い方に慣れていないということが浮き彫りになった。

こういったアットホームな雰囲気で規模が大きくない企業なら、なおさら派遣社員ではなく、直雇用の社員として働くほうが絶対にいいと強く感じた。

結果を聞く前に辞退した

面談の際のやりとりから、おそらく私は選ばれないだろうと感じた。そして、私自身も合わないと感じたので、結果を聞く前に辞退した。

どっちにしろ不採用だったと思う。

職場見学の面談にて、この企業は派遣社員の扱い方に慣れていないと感じた。そんな中で就業すると、何か問題が起きたとき面倒なことになる気がした。

また、ほとんどが正社員の中、派遣社員というマイノリティな雇用形態で働くには中小企業は厳しい環境のように思う。

契約だからと割り切って働けず、様々なシーンで理不尽な状況に陥るだろうことが目に見えている。

派遣社員から直雇用の社員になりたい!といった野心がある場合は、中小企業だと働きぶりを認められて正社員になれる可能性がありそうだ(大手企業だと派遣から正社員への道はほぼ閉ざされていると言っていいだろう)

どういったスタンスで派遣で働くのか?ということを念頭において、就業先を決めるのが一番だ。

実際に職場見学に行ったからこそわかった職場の様子

今回の件で、やはり派遣社員として働くなら、大手企業がいいと再確認した。

もちろん中小企業でも派遣の受け入れに慣れていて働きやすい企業もあると思うので、見極めは非常に難しい。気になる案件があったら、実際に職場見学に行って雰囲気を確かめてみるというのが一番いいだろう。

そこでどのように感じるかが重要だ。直感を信じたほうがいい。これまでの私の経験上、最初に抱いた違和感は、絶対当たっているから。

今回の私の場合のように、ミスマッチだということを事前に確認できたのはよかった。
働きはじめてからミスマッチだった!となるよりは、ずっとずっといい。

↓40代での派遣の仕事探しや、契約更新の悩みなどについて書いた記事も併せて読んでいただけると幸いだ

派遣社員,仕事探し

Posted by しがらみん