服はセールになるが絵画は割引にならない

常々考えているのは、物の値段、価値ってなんだろう?ってことだ。

たとえば、洋服とか服飾雑貨って、度々セールがあるだろう?
定価:1万円の服があるとして、クリアランスセールで平気で半額:5000円とかになっちゃうだろう?

もちろんセール(値引き)をしないという主義のブランドもあると思う。でも、夏と冬のクリアランスで、「え、昨日まで定価で売ってた服が、セールになった途端、半額!?」ってことは、よくあることだ。

私自身、ここ数年、セール以外で服を買った記憶がほとんどない。いや、ほぼセールやアウトレットでしか買ってない気がするほどだ。

点数が少なくセール期間前に売り切れてしまうような服もあると思うのだが、たった1日の差で1万円だったものが5000円になっちゃうってどういうことだ!?って思うんだよ。

物の値段って、価値ってなんだよ?って、考えてしまうなあ。

だって、絵画なんか、安売りなんてしないだろ?

聞いたことないよ。百貨店の美術画廊でクリアランスセール一律30%引きです!とかある?

ないよな。

それどころか、絵画の価値は、時の経過に左右されない。年数を経てあがっていくことすらある。いわゆる芸術品には、値引きなんていうものはない。(価格交渉っていうのはあるかも・・)

でも、洋服や服飾雑貨は、シーズンが過ぎれば、叩き売りされる。

もちろん、洋服でも時を経て価値をあげるものもあるが(ビンテージの域や根強いファンがいるブランドなど)、いわゆる一般的な「服」は、旬・流行を過ぎれば、価値・価格を下げていく。

服って、つまりは、残念ながら、「消費するもの」っていう感覚があるからなんじゃないかな。

なんかね、なんだろうな。

物の値段ってなんだろうなあ。

服や芸術品についての話とは、またちょっと種類の違う『価格』についてのことなんだけど・・

100円ショップとかで、いつも「おかしい・・、おかしい」って思ってしまうんだよ。

100円ショップの商品を眺めながら、100円という低価格で品質良好な物が入手できてしまう世の中って、きっとどこかで何かを無理しているはずなんだ。

絶対どっかにひずみがあるはずなんだ。(例えば、それら商品が世に流通している陰には、安い労働力で働いている人たちの犠牲がある、とかそういうことだ)

だから、物を買うときに、ついつい安くていいものが欲しい!と考えてしまうけど、その物に対する正当な対価を支払うというのが、本来あるべき姿なのだと感じる。

いいものは、高くて当然なのだよ。

価値に見合ったお金を支払うことによって、健全な消費サイクルが生まれる気がするのだが、現状、この国はあまりに貧しくなってしまったので、価値に見合ったお金を支払う体力がない人たちが溢れている(私もそのうちのひとりだ)

セールなどで安く買えて嬉しい!得した!と思う。私もよくそういったことを思う。

ただ、そうやって、誰もが、本来の価値を値切った買い物ばかりしていると、どこかに綻びが生じるはずなんだ。

飲食業界だってそうだ。

チェーン店など、なぜそこまで安く料理・サービスを提供できるのか?その価格を維持するために、どこかで無理が生じていないか?安く買い叩かれている労働力はないか?食品偽装などが隠されている可能性はないか?

残念ながら、私自身、非正規の身で、日々の生活に余裕があるわけではないから、様々な低価格のサービスを享受してしまっている。だから、あれこれ言えた身ではない。

ただ、安くていいものが出回る背景には、何があるのか?を考えてしまう。

考える日々

Posted by しがらみん