”美しさ”に執着したその先に『改良』
たまたま書店で手にとって、気になってた本。『改良』
芥川賞を受賞した作家・遠野遥のデビュー作だ。裏表紙に書かれたあらすじが気になって、図書館で借りてみた。
ちょうど読もうとしていたときに、偶然ネットで、作者がBUCK-TICKの櫻井敦司の実の息子と知ってしまい・・まっさらな気持ちでページを開くことができなかったことが、唯一残念だった・・(あまり事前情報とか知らずに、先入観なく読みたかったので・・)
トランスジェンダーの話ではなく、”美しい”ということに過剰にとらわれた大学生の話かな?
男性視点から描かれる女の美醜に対するストレートな言葉の数々は、なかなかキリキリする。特にいわゆる”美しくない女”として描かれるつくねさんが学生時代の思い出を語るシーンは、心が痛かったと同時になんかわかる気がした。
自分の意思だと思ってやっていたことが、実はブスだったことによってやらざるをえなかったことなんじゃないかっていう、つまりわたしが本当にやりたかったことではなかったんじゃないかっていう・・
そのくらい「美しい」ということが、社会ではどれほどに意味を持ち価値があるかということを、理不尽ながら実感させられてしまうような・・。
また、「ブス」を別の単語(コンプレックスを表す単語)に置き換えたときに、誰しも当てはまることなんじゃないかな?と考えさせられたりもした。
とても読みやすくてあっという間に読み終わるし、まったく飽きさせなくてスっと自然に入ってくる文体だった。
↓芥川賞受賞作のほうは、未読なので、読んでみたい。
受賞の会見のときは、整った顔立ちで無表情なイメージがあったのだが、櫻井さんの息子とは・・。
そんな私は、音楽に関しては、BUCK-TICKとかその周辺は、ほとんど通らなかったほうで、あまりよく知らないのだけど、櫻井さんについては、尋常ならざる美貌だなとは思っていた。
唯一、BUCK-TICKでむちゃくちゃ聴きまくった1曲があって、「月世界」という曲なのだけど、この曲は、一時期そりゃあもう狂ったように聴いたなあ。
今もときどき聴く。なんかの深夜帯のアニメの主題歌だったんだよなあ?当時(20年くらい前?)偶然それを観ていて、この曲すごくない?と思って強烈に覚えていて、のちのち、購入(ダウンロード)して、繰り返し聴くようになったんだよ。