すべての経験は無駄ではないと思わせてくれた・遅咲きの棋士:今泉健司四段

2019年5月24日

先日、NHKの『逆転人生』という番組で、遅咲きの棋士・今泉健司四段についての特集が放送されていた。

遅咲きの棋士・今泉健司四段

史上最年長41歳でプロ入りしたという遅咲きの棋士・今泉健司四段。
本来なら難なく若くしてプロ棋士になれる実力があったにもかかわらず、ここぞというところでうまくいかない。
2度もプロ棋士を諦めてしまうのだけど、介護士として働いた経験が彼の心を強くした。
3度目の正直で、41歳という年齢でプロ棋士となった過程は、心震えるものがあったなあ。

今泉棋士は、ダメだー!ってなると、麻雀とかカードゲームとか他のことに逃げ込んじゃう。どうせダメだって、逃げてもいい理由を作って逃げる。
本来なら徹底的に解明すべき負けた理由、その検証を中途半端にしてしまう・・。

なんだかこれすごくよくわかって、私も、わりと「逃げていい理由」を作っては、できない自分・ダメな自分から目を背けてきた部分がある。

今泉棋士は、十分プロになる実力・能力があるのに、最後でつまずいてしまう・・。将棋はやはり精神力がものをいう世界なのかもしれない。心理戦だと。

将棋とは別の場所で心が鍛えられていく

そんな今泉棋士が、将棋でプロになることを諦め、介護士として働くにつれ、心が鍛えられていく。気づけば、3度目のプロ試験を受けられるステージまでやってくる。
そして、最終的に、プロ棋士となっていく道のりは、ハラハラしつつ、心から「よかった!」と思わせてくれた。

ご本人の人柄もすごく好感が持てて、紆余曲折を経ているからこその懐の深さ・余裕のようなものも感じられて、すばらしかったな。

藤井聡太棋士のように、正真正銘の天才で順風満帆に勝ち上がっていく人をすごいと思う。

その一方で、今泉棋士のように、回り道をしまくって、ダメな自分に落ちて、それでも向き合って、他の仕事をしながらも、諦めなかった姿勢に、より共感するなあ。

すべての経験は無駄ではないと思わせてくれた

私も、売れない日本画家(※例えです)として、20年近くやってきて全然食えない現状に落ち込んでいるし、卑屈になるし、しょっちゅう腐るし、どうせ自分なんか・・ってウジウジしながら、あれこれ理由をつけて、現状を打破することに全力を注げない。グダグダして努力を惜しんだりする。

なんかこう・・ダメな時期の今泉棋士と今の自分の姿がちょっと重なってみえる瞬間があった・・。

今泉棋士と自分を比べるなどとは、おこがましいと思いながらも、他の仕事(介護士)をしていく中で、心が鍛えられていき、気づけば夢を実現しているというストーリーは、すごく勇気づけられた。

すべての経験は無駄ではないと思わせてくれた。

私はこれまで無駄じゃないか?と思うことばかりしてきたし、いろんな仕事を彷徨いすぎて、そのどれもが実になってなくて中途半端で、自分のやっていることは無意味なことばかりだったんじゃないか?とよく落ち込む。腐る。

だけど、すべての経験は無駄じゃないと思いたいし、今日まで様々な仕事を漂流してきて得たものもあったのじゃないか?と思いたい。

よし、私もグダグダ言ってないで、行動しよう、努力しようと思った。今泉棋士の物語は、たくさんの人に勇気と希望をもたらした。少なくとも私は、「まだまだやるぞ!」って思ったね。

↑調べたら本も出版されているようだ。読んでみたい。

考える日々

Posted by しがらみん