NHK土曜ドラマ『フェイクニュース』嘘もデマも真実も拡散する
NHK土曜ドラマ『フェイクニュース』を観た。
SNSに投稿されたインスタント食品への青虫混入。そこから事態は思わぬ方向へと拡大していく。北川景子扮するネットメディア記者が、フェイクニュースを巡る真実に迫る・・。
いや、これは他人事ではない内容だった。とても面白かったし、考えさせられた。
現代社会に生きる限り、ネット利用を避ける、ということは難しい。だから、常々、ネット情報に踊らされないようにしているつもりだが、それでも、情報の表層だけみて、真実を確かめずに、わかった気になっていることは、私自身よくある。
ドラマ本編でも描かれているが、人々は情報の真偽を確かめることなどせず、簡単にリツイートボタンを押す。あっという間に情報が拡散していく。
また、PV数を稼ぐために、嘘の情報を平気ででっちあげる。タチが悪いことに、なんの悪気もなく。
感情はやっかいだ、
みんな、本当とか真実とかどうでもいい、自分が信じたいものだけを信じる
といったような台詞(ちょっとうろ覚え)が出てきたが、なかなか突き刺さるものがあった。
誰しも、自分にとって都合のいいことしか信じないのかもしれない。言い換えれば、都合のいいことだけを信じたい、のかもしれない。
感情が邪魔をして、真実を見失ってしまう。本質を見誤ってしまう・・。
最後は、拍子抜けするくらい、なんも解決してなくないか?というエンディングだったが、ネットを巡る現状を描き出して問題提起した、というドラマだったのかもしれない。ラスト、北川景子と光石研がにこやかに笑っていたのは、救いだったけどね。
にしても、北川景子は強く美しい女性役が合ってるなあと思う。『探偵の探偵』とか、かなり好きだった。
↑むちゃくちゃ面白かったー!けっこうグロい感じなんですが、毎週楽しみに観てた。犯人が意外な人物でねえ。まあ、途中でなんとなく気づいたけど・・。ディーン様も出てるよ。『あさが来た』でブレイクする前のディーン様。
私自身は、以前も書いた通り、ツイッターやフェイスブックはやっていない。
唯一やっているSNSはインスタだが、至極どうでもいい写真を壁打ちテニス的に投稿しているのみで、いいねもフォローもほぼしないという使い方をしているので、あまり繋がってる感はない。
ただ、リアルタイム検索で、今どんなワードがつぶやかれているかなどは、時折チェックしているが、そこで、炎上などを見かけることはよくある。
そういったつぶやきなどを目にするたびに、脳みそが疲弊していくのを感じる・・。まるで腐敗していくような感覚に陥る。
自分は、内容の真偽がわからない状態で軽々しくリツイートしたり、義憤にかられて事件の容疑者の情報を暴いたり晒したりするひとたちの気持ちが理解できない。
そんな行為をする彼らは、ある意味加害者じゃないのか?
最近のネットを巡る状況は、楽しい気持ちよりも嫌な気持ちになることばかりだ。私自身、こんなブログを書いて、なんてことはない思ったことなどを書き散らしているわけだけど、時折、すべてを放り出して、ネットを遮断して生きられたらなあ・・と感じることがある。
以前の記事でも書いたが、私は、20年以上前からネットに親しんできて、ネットの感動を味わってきたし、誰もが自由に発信できるという場所・可能性をすばらしいと思ってる。
でも、ここ数年のネットを巡る状況は、違和感ばかりが募っていく。極端なヘイトや差別的発言、自己責任論・・言葉の持つ力が増幅して拡散し、悪意と憎悪が蔓延する世界。
文章を書くのがわりと好きで楽しいから、ブログは自ら好き好んでやっているわけだけど、それでも、なにか言いようのない疲れが沈殿していくのを感じる。
どんどん自分の感覚が蝕まれて腐っていって、思考停止しそうになる。ネットとの距離感について、ここ数年、ずっと考えている。