真のホワイト企業ってなんだろう?非正規労働者の視点から

わたくしは、しがらみん。アラフォー漂流おひとりさまだ。

さて、先日、3年で派遣先を契約満了した。
派遣3年ルールにより、有期の派遣社員は、抵触日を越えて3年以上働くことはできない。

同じ職場で働き続けるならば、派遣先の直雇用になる、派遣会社の無期雇用になる・・などといった選択肢があるが、私の場合、以前の記事でも書いた通り、3年で契約満了となった。

やっぱり派遣社員は部品?

今回、長期の派遣社員をはじめて経験してみて、つくづく派遣社員とは部品だなと感じた。

私自身もそうと割り切って働いてきたし、派遣先企業の社員たちは派遣社員だからといってあからさまに差別するような人たちではなかった。
(内心は派遣を見下して蔑んでいたりするのかもしれないが、それを言葉や態度に出すような社員には出会わなかった)

それでも結局は派遣社員は部品だと実感した。

派遣会社に中間搾取され続ける非正規労働者。それは自分自身だ。

そして、派遣先企業だって、結局は、都合のいいように人材を扱うために派遣社員を利用し続けている。安い労働力で働かせるため、人材のコストカットのためだ。

あらためて考える・ホワイト企業とはなんだろう?

派遣先企業は大手のホワイト企業だったが、安い労働力で派遣社員(非正規労働者)を多数働かせて自社の利益をあげている。

う〜む、それは真の意味でのホワイト企業とは違うのではないか?

真のホワイト企業とは、規模や休日や給料や制度だけではなく、そこで働くすべての人々が尊重され充足感に満ち、自身のポジションに納得できるような会社なのでは?とあらためて考えるようになった。

少なくとも、派遣社員をとっかえひっかえ部品のように扱う大手企業は、真の意味でホワイトではないように思える。

先日契約満了した派遣先企業では、10年以上働き続けている派遣社員が多数いた。
彼女たちは、語学やPCスキルなど高い能力を持った人たちが多かったが、派遣社員という身分のままだ。長く働き続けていたってボーナスもない、退職金もない、時給だってたかがしれている。

それは健全な状態ではないように思える。

だって、10年以上も働き続けているってことは、そのポジションは会社には必要ってことなんだろう?

派遣社員という身分の固定化

そもそも派遣は、臨時の要員としての役割だったはずだ。
それなのに、派遣社員という立場で安い賃金でずっと働かせ続ける。
同じチームだった派遣メンバーたちは、15年ほど働き続けていて、今回、無期雇用派遣社員となった。

複雑な思いがする。

これほどこの派遣先企業で長く働き続けても、結局派遣社員という身分が固定化されたまま、ずっと低収入で働き続ける・・。

なんだか、それっておかしいよって感じる。

(ただ、無期雇用派遣社員になった当事者たちは、それを良しとしているようだった。以前の記事でも書いたように、現状に特に疑問など抱いていないようだ。彼女たちは、派遣社員という階層について、あまり深く考えていないように思える・・)

自己責任論を越えたその先へ

だったら、派遣なんかで働くな、正社員で働け!との自己責任論が聞こえてくるのは百も承知だ。

でも、現在は、正社員とは名ばかりのブラック労働がまかり通っている。サービス残業を強いられ休日もまともにとれず、収入も高くない(労働に見合わない)・・そんな「名ばかり正社員」が少なくないと思う。

ほんの一握りの優良企業で働いている人々をのぞいては、正社員でも非正規労働者でも、苦しい状況にいるひとたちは多いと思える。それは果たして自己責任なのか?

それぞれ抱えている事情や状況が異なるため、一概に決めつけることはできないように思う。

必要なのは、労働という概念を今一度考え直すということだ。

たとえば、フルタイム(1日実働8時間/週5日)働いても、収入(手取り)が生活保護を下回ってしまうような労働がまかり通ってしまっている世の中は、健全ではない。
最低賃金が生活保護基準を下回ってしまう現象は、不健全だ。

「稼げない仕事をしている人間」が悪いのではなく、フルタイムで働いているにもかかわらず人間的な暮らしができない労働の仕組みがあきらかにおかしいのだ。
これらを是正する必要がある。
(もちろん生活保護という制度が悪いわけではない。何らかの事情を抱え働けない人たちのセーフティネットとして必要なものだ)

これは、専門分野の学者などが様々な提案をしてくれているし、ベーシックインカム(富の再分配)が実現すればいいと思うのだけど、なぜか世の中はそうならない。

私自身、これらの労働問題には勉強不足な部分が多い。もっと考えていきたいと思う。

まとまりのない長文になってしまった。

長期の派遣社員を経験してみて、いわゆる大手のホワイト企業のあり方について考えることが多かったので、率直な気持ちを書いてみた。

社会・労働問題

Posted by しがらみん