もうぜんぶ田嶋陽子さんが30年前に書いてた『愛という名の支配』

フェミニズムについてもっと深く知っていきたいと思ったとき、「あれ?あんなにフェミニストとして有名な田嶋陽子さんの本って読んだことないなあ?」と気づいた。

田嶋さんはフェミニストだというけれど、具体的には一体どのような考えなのだろう?

さっそく『愛という名の支配』を読んでみた。

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読み終えて思ったのは、私は完全に田嶋陽子という人を誤解していた、ということだ。

解説で作家の山内マリコさんが書いていたが、私も田嶋さんにネガティブなイメージを抱いていた。ネガティブというと言い過ぎかもしれないが、決してポジティブではなかった。それは、山内さん同様たけしのテレビ番組などでの田嶋さんのイメージが強かったからだ。

私も山内マリコさんと同世代だ。田嶋さんがテレビで活躍されていた頃を知っている人たちは、田嶋さんに少なからずネガティブなイメージを持っている場合があるんじゃないかな。

つまりは女性差別について語り女性の権利なんかを主張すると、容姿や年齢などをいじられ揶揄され嘲笑され叩かれロクなことにならない、フェミニストだなんて名乗った日には男性たちに、さらには男性に加担する女性たちからも大バッシングを浴びせられてしまう・・そうならないように口を閉ざそう・・、当時、田嶋さんを見ていてそんな風に感じるようになってしまった女性たちは多かったように思う。私もその一人だ(今振り返ると、それはテレビ的にそのように仕向けられ作られたものだったのに・・)

それで、肝心の本の中身だ。

とても震える思いで興奮してページをめくっていき、あっという間に読み終えた。一冊付箋だらけになった。

女性差別について、構造的な視点から非常にわかりやすく丁寧に書いてある。あれもこれもそれも・・ぜ〜んぶ書いてある。

この本が最初に刊行されたのは、1992年だ。

なんだよなんだよ、もう30年近く前に田嶋さんが全部書いてんじゃん!と思った。

と、当時に、約30年後の今読んでも、まったく色褪せない、むしろ共感と気づきの連続だったということは、残念ながら女性差別はこの30年で根本的にはまったく解消されていないということだ。

また、この本が最初に刊行された1992年頃と現在とでは、女性を取り巻く状況はさらに複雑になってきている。30年くらい前では、専業主婦がメインだった結婚制度も、現在では共働きの方が多い。さらには、女性が総合職として働く一方で、あらゆる業種・職種で非正規雇用の女性が増大しており、女性間に様々な分断が生まれている。

そういった部分では、2021年現在と完全にはリンクしない箇所があるものの、結婚制度がいかに女性を奴隷たらしめるものか、女性の服装や髪型についても言及されており、ハイヒール、スカート、長い髪などを例にあげ、これらの服装や髪型が女性にとっての拘束具ということ、私たちから自由を奪って男の支配下に置くためのもの、ということもわかりやすく書かれている。

ここらへんがもっと熟成されていったものが、ここ数年で韓国で生まれた脱コルセット運動などにも繋がっていく思想のように思えた。

また、この本でもっとも心を打たれるのが、幼い頃からの田嶋さんと母親との確執からはじまり、46歳になってようやく母親の呪縛を断ち切れるところまでの物語だ。そして、田嶋さんの恋愛についての一連の文章も味わい深かった。

「なぜ私はこんなに生きづらいのだろう?」と感じている女性がいるならば、ぜひ読んでみてほしい。

私自身が、なぜ私はいつもこんなにモヤモヤしていて生きづらいのだろうか?とずっとずっと考えてきて、さまざまな方向から考え続けてきたのだけど、やっとラディカルフェミニズムに辿り着いた。

どうしてなんだろう、なぜ苦しいんだろう?その根源を考えていったところに、ラディカルフェミニズムがあった、といった感じだ。

もっと若い頃に気づけていたら・・と思う一方で、様々な体験を経て40代に突入した今だからこそ、より考えを深められる気もしている。

もっともっと知識を深めていきたい。知っていきたい。考えていきたい。そしてひとつひとつの行動を変えていきたい。

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フェミニズム

Posted by しがらみん