職場のランチタイム・新たなる訪問者その2
派遣先のランチグループを抜けるまでの1年8ヶ月に及ぶ壮絶な日々を記した地獄のランチタイム。
あれから約半年。現在は、完全にランチメンバーから離脱して、自席にてひとりの昼食を謳歌していたのだが、そんな日々に、新たなる訪問者がやってきた・・。
「職場のランチタイム・新たなる訪問者その2」はじまりはじまり〜。
その1はこちら↓
ほどよい距離を保ちつつ、ランチを断りたい
ランチタイムになると、私の席にやってきて隣に座り昼食を食べはじめてしまう柏さん。
彼女とほどよい距離を保ちながら、うまくランチを断る方法はないのか?
これまでの会話の中で、あっけらかんとした明るさと繊細さが同居するひとかな?と思えた。こういうタイプの場合、はっきりこちらの思うところを言ったほうが、わだかまりないような気もした。
よし!明日、また席に彼女がきたら、「今日は調べごとがあってひとりで食べたい」などとにかく一度断ってみて、様子をみてみようと考えた。
連続で欠勤
次の日、柏さんの姿は見えなかった。その次の日も、そしてそのまた次の日も・・。
連続で数日間、欠勤が続いた。おそらく体調不良なのではないかと思った。体調が芳しくないのは目に見えてわかったし、症状が悪化したのかな?と。
ランチを断る方法を考えていた私は、若干拍子抜けしたが、柏さんの体調も気になった。
ついにランチを断ってみる
約1週間後、再び出勤してきた柏さん。
やはり体調不良だったようだ。話を詳しく聞いてもいいと思ったが、ここで一度断らないと、ずるずる毎日ランチタイムに私の席にやってきて、それが固定化されてしまうかもと恐れた。
病気が辛いのは理解できる。ただ、その話題で毎日のランチを侵食されたくないという思いもあった。「ごめんね、ちょっと調べごとがあって。また話しましょう」と、断ってみた。
すると、「あ、わかりました、いえ、すみません!」と柏さん。そのとき、なんとなく私の意図するところを理解してくれたように思えた(そのときは、そう思えたんだがなあ・・)
それから、数日間、ランチタイムに柏さんは私の席を訪れなくなった。ホっとしたと同時に、柏さんの話をもっと聞いてあげればよかったか?という後悔の気持ちがあった。彼女の病気のことが気になっていたからだ。ランチを断る自分は、薄情な人間か?と。
一方的に向こうからやってきた相手に対して、なんでこんなにあれこれ考えなけりゃならんのだろう?柏さんは、ただ誰でもいいから話を聞いてもらいたいだけなんじゃないか?その都合のいい相手が私だったのでは?
いや?そんな風に思うこと自体、私は冷淡な人間か?
あれこれ考えていたら疲れが募ってくるのだった。
人間関係は、同じ割合だとうまくいく
私はただ平穏にランチタイムを過ごしたいだけ。それなのに、なかなかうまくはいかないものだ。
おそらく私と柏さんの関係性があともう少し深いものであったなら、そうは思わなかったろう。まだお互いをよくわかっていない段階で、柏さんの一方的な話題(しかも支離滅裂で専門的すぎて、さらには個人的すぎる話題・・)が多かったことがストレスに感じたのかもしれない。
やはり人間関係において、お互いが同じ比率、同じ割合で相手に時間や気持ちを割く、ということは重要だ。たとえば、相手が自分に3割・自分も相手に3割、みたいに、少ない割合でもそれが合致していれば人間関係はうまくいく。相手が自分に3割なのに、自分は相手に9割とかだとおかしな関係性になる。
このバランスがうまくとれないと、関係は破綻してしまう。
そんなことを思いながら過ごしていたところ、オフィス内でのちょっとした立ち話で、柏さんから思いがけないことを聞くこととなる。
柏さんも私と同じ派遣社員なのだが、今回の契約で勤務を終了することにしたという。次回の更新はしないというのだ。
続く↓