パラダイス・サーティじゃなかった

いやはや、10月になってしまった。今年があと3ヶ月で終わるだなんてなあ・・。何もしてないわぁ、今年。

年内中に、私は40歳になる。現在はギリギリ39歳で30代だが、40代というと重みがすごい。
自覚していても、40代となると、どうあがいても中年でありBBAであり、おばさんということになる。客観的にみても40歳はそういう年齢だと思う。

10年前、30歳になったときには、「何もかも終わった・・」と感じたものだが、今振り返ると30歳ってむちゃくちゃ若いな、と。
そう考えると、50歳になったとき、40歳を振り返って、まだまだ若かったと感じるのかもしれない。
とにかく、後悔なきよう毎日を過ごしたいとは思う。

今はかろうじて30代ということで、残り少ない30代の日々を過ごしている。

『29歳の憂うつ パラダイスサーティ』というドラマをご存知だろうか。
20年近く前、深夜帯に放送されていたドラマで、当時ドキドキしながら観ていた。今でこそ、LGBTという言葉をニュースで頻繁に耳にするようになり広く認知されつつあるが、当時としては、トランスジェンダーの登場人物が出てくるという点で、わりと珍しかったかもしれない。
清水美砂がかっこよくてねえ。吉本多香美も美しくて好きだった!

原作は、乃南アサの小説だ。

ドラマだけ観ていて、原作は読んだことがないのだけど、「パラダイス・サーティ」というフレーズが強く心に残っていた。

ドラマ放映時には20歳そこそこの自分であったから、30歳は遠かった。

私が20代後半のとき働いていた職場での直属の上司は、私より一回りほど上であった。
つまりは現在の自分くらいの年齢だ。
なぜかこの女性上司とは馬が合い、自宅に招いてもらって手作りの料理をご馳走になったことが数回あるほどだ。
上司は既婚者で30代後半で結婚した。旦那さんを交えての食事だった。

その上司いわく「30代ってすごくいいよ。たぶん今20代後半で30歳になるのことに不安を感じてると思うけど、30代って悪くないよ。私は30代がすごく充実していて楽しかった」ということだった。
それで、当時20代後半だった私は、「そうかあ30代っていいのか!そうだ、パラダイス・サーティにしよう、そうだよ、私の30代はパラダイス・サーティにしたい!」と思ったものだ。

他にも、自分より年上の女性たちから、「20代より30代のほうがずっと面白いよ!」などと、度々言われた。

それだから、私は、20代が終わる不安や焦りがありつつも、きたる30代に希望を少なからず抱いていた。

ところが、現在39歳。あと少しで40歳という私の30代は、う〜ん、パラダイス・サーティではなかった、と思う。

パラダイスどころか、疲弊して迷って他者と関わるのが億劫になった10年間だったように感じる。
30代の10年間は、一人暮らしを終了して実家に戻ったり、仕事も数回かわったりと、それなりに変化はあった。
でも、自分を根本から揺るがすような大きな出来事などもなく、環境が変わることに慣れつつある自分としては、変化に乏しい10年間だったように思う。

一番よくなかったなと思うのは、やはり他者と関係を築くのを億劫と感じ、ひとりの世界にこもりがちだったことだ。

そんな30代も、そろそろ終わろうとしている。

考える日々

Posted by しがらみん