群れてる人たちは自分たちが群れていることに気づけない
わたくしは、しがらみん。アラフォー漂流おひとりさま派遣社員だ。
同じチームの派遣社員・共依存する島根さん(仮名)と武蔵野さん(仮名)
そんな彼女たちに放たれた別チームの派遣社員・千駄ヶ谷さん(仮名)からの一言。
「お二人って、一緒に暮らしてるんですか?」
その言葉に凍りつく島根さんと武蔵野さん。
さて・・、なぜ二人は凍りついたのだろう?
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「お二人って、一緒に暮らしてるんですか?」
「だって、お二人って、いつも一緒じゃないですかあ。朝も一緒に来るし、帰りも一緒に帰るし、だから、二人は絶対一緒に暮らしてると思ってました。・・一緒に暮らしてるんですか?」
そんな言葉を突然投げかけられて、固まる島根さんと武蔵野さん。
一瞬張りつめた空気が漂うところを傍らで眺めていて、「おお、そうか!」と思った。
つまりは、島根さんと武蔵野さんは、まったく交流のない別チームの派遣社員・千駄ヶ谷さんから、まさかそんなことを言われるなど、ゆめゆめ想像できなかった、ってことだ。
そう・・他者からみて、自分たちがいつも一緒に行動している(群れている)と認識されていることに、気づけていなかったんだと思う。
私は、彼女たちと同じチームに所属し、その群れっぷりを嫌というほど見せつけられてきたが、千駄ヶ谷さんのような私たちチームとは直接関係ない立場のひとが外側から眺めているだけでも、彼女たちの群れっぷりは際立っていた、目にあまった、ということだ。
島根さんと武蔵野さんの異常なる群れっぷりは、意外に別チームの社員や派遣社員たちにも認識され、気づかれているのだな。
そして、当事者の二人は、周りからそんな風に思われているなどと想像できていない。だから、直接、ストレートに疑問をぶつけてきた千駄ヶ谷さんの言葉に、凍りついたんだよ。
「一緒に暮らしてはいないですよ・・」と微妙な反応の島根さんと武蔵野さん。
私は、オフィスを出たところで、「お疲れ様です」といつも彼女たちと別れるので、続きはわからなかった。その後、千駄ヶ谷さんとどのような会話をしたのだろう?
そして、次の日。
いつも一緒に仲良く登校する学生のごとく、オフィスに入ってくる島根さんと武蔵野さんであるのに、珍しく別々に到着した。
あれ?と思う。次の日も、また次の日も。あえて一緒に来るのを避けているかのように。
千駄ヶ谷さんの言葉が効いたようだな。
気にしたんだと思う。「一緒に暮らしてるんですか?」「いつも一緒じゃないですかあ」という言葉を。
直接言われないとわからないくらい、彼女たち自身は、いつもべったりな自分たちの行動に無自覚なのだと感じた。
そうか・・群れている人たちは、自分たちが群れているってことに気づけていないものなのだな、と。客観視できていない。どんな風に思われているか、見られているか・・。
指摘されて、あ!と思い、周りからの目を気にして、ちょっと別々に行動してみたりして?
でも、それもたった数日のことで、現在はまたいつも通り、お揃いみたいな服を着て、毎朝、一緒に出社してきて、ずっと一緒に話し合いながら仕事して、お昼も一緒に食べて、帰りも一緒に帰るのだ。15年間、ずっとそれをやり続けているのだよ!
あな、おそろしき。
いつまで彼女たちは、群れ続けるのだろう?
そんなことしていたら、ひとりで考えられなくなってしまうよ、そんなんじゃ。
私は、あと3ヶ月ほどでこの職場を去る。だから、彼女たちの物語を結末を知ることはない。
ずっとこのまま、アラフォーを過ぎて、50歳になって、60歳になって・・群れて群れて何もかも一緒に行動し続けるというのか?
地獄だな。
私は、そういうのは御免だよ。でも、それがいいっていう人たちもいる。好きにすればいい。共依存する二人を毎日見つめながら、そんなことを思う日々だ。