辞める人に気軽に言ってはいけないフレーズ『新しい職場でもご活躍ください』
派遣切りで契約終了となり、失業したことは以前の記事で書いた通りだ。
契約終了にあたって、社員の方々に直接ご挨拶したり、メールで挨拶したりしたのだが、その際、相手からのフレーズで個人的に気になるものがあったので、書いてみたいと思う。今回に限らず、これまでの職場を去る際にも言われたことがあり、その度にちょっとモヤモヤしたフレーズ。それは・・
新しい職場(次の職場)でもご活躍ください。がんばってください。
といったようなものだ。
いや、この言葉を発した相手に他意はないことは理解している。よくある挨拶の一文、テンプレートのひとつであることは承知している。
だが、しかし?
私自身、今回、これ何度か言われたのだが、かなりモヤモヤした。
というのは、そこそこ私と会話していて、たとえば次の仕事が決まっている等の情報を知っている相手ならいさしらず、詳細を知らないにもかかわらず、なぜ「次の職場」だの「新しい職場」だの言えてしまうのか?
疑問だよ。甚だ疑問だ。
派遣切りで契約終了となり、すぐ次の仕事を探していなかった私からすると、「?」の連続しかないフレーズなんだ。
そして、不思議に思う。世間の大半の人々は、「退職する」=「次の仕事がある。また働く」と思っているんだ。それが疑問だ。
今回の私の場合、純粋なる派遣切りでそれ以上でもそれ以下でもないのだが、契約終了する派遣社員の中には、たとえば介護離職や自身の病気など表立っては伝えられない別の理由があるかもしれない。
それなのに、なんの詳細も知らないのに、軽々しく「次の職場」だの「新しい仕事」だの言えてしまう神経がちょっと自分には理解できない。
ひょっとしたら、退職してアーリーリタイア生活に入るのかもしれない。労働との訣別の退職の場合だってあるかもしれないじゃないか。
前述した通り、もちろん「次の職場でもご活躍ください」というのは、挨拶のテンプレートのひとつであり、ポジティブな感情から発されたものであることは間違いない。相手に悪気などないことは承知している。
だが・・受け取る側の状況次第では、ネガティブな言葉に変化することがあると個人的には思った。
今回の私の場合は、派遣切りで契約終了になってしまい次の職場どころか仕事を探すことすらしていなかった状態だったので、「新しい職場でもご活躍ください」という言葉には違和感しかなかった。
もし、次の仕事を必死で探している最中で決まっていない状態だったとしたら、「まだ決まってねえよ!ご活躍する職場がねえわ!」と、ちょっと苛立ったと思う。
(どんなに社会情勢に疎い人間だって、コロナ禍で求人が激減してることくらい想像できるだろ・・)
退職する側として、気軽に言ってほしくないフレーズだなと思った次第だ。
もちろん次の仕事が決まっていることが周知されているような状態で発されるのなら、まったく問題がない。相手の状況がわからないのに、「仕事を辞める=また新しい職場で働く」としか考えられない想像力の貧困、それを軽々しく口に出す無神経さに若干モヤったんだよなあ。
まあ、もちろんそういったフレーズを直接言われたりメールで伝えられても、「次の仕事はまだ決まっていないんですよ〜」と当たり障りなく返しておくが、内心はちょっと複雑な気持ちだった。
つくづく、世間の人々にとって働くということは当たり前のことなんだよなあ。勤労意欲を失い、できれば労働から開放されたいと願っている私のような人間は少数派なんだろうか?(ネットだとたくさんいるように思えるのに、リアルではみんな当たり前のように労働の奴隷なんだよなあ・・)
まあ、そんなこと言いつつも、結局生きるために働くわけで、現時点で次の仕事がまったく決まっていないとはいえ、遅かれ早かれまた労働を再開するわけで、私自身も労働の奴隷から抜け出せていない。