花火葬で夜空に散りたい
わたくしは、しがらみん。アラフォーおひとりさま薄給派遣社員だ。
さて、先日、NHKの『所さん!大変ですよ』を観ていたら、「お墓の悩み一挙解決スペシャル!」という内容だった。
お墓問題は、悩ましいなとは思う。自分はおそらくひとりで死ぬ(←看取る人がいないだろうという意味だ)と思うので、お墓とか必要ないと思っている人間だ。死んだらもうどうでもよい。
ただ、自分の死骸を処理する人たちに、迷惑がかからないような方法ないかな?とは常々考える。
番組では、お墓に替わる様々な供養の方法などが紹介されていたのだが、その中で、私がもっとも気になったのは、花火葬だ。
海外でおこなわれている花火葬は、パウダー状にした遺骨を火薬につめ花火を作る。そして、その花火を夜空に打ち上げて、大輪の花となって散るのだ。
その映像は、心を揺さぶるものだった。
遺族も、打ち上がった美しい花火の火の粉が散っていくのを眺めながら、泣いていた。
おおっ、これはいい。
おそらく、私が死んだときに遺族はいないだろうが、花火として夜空に打ち上がって、散るって悪くない。これはいい。花火葬、惹かれた。
そして、花火葬と聞いて、まっさきに思い浮かんだのは、江戸川乱歩の『パノラマ島奇談』だ。理想郷を作り上げた主人公は、最後、自らの肉体を花火にして打ち上げる。
そして、肉片が花火とともに飛び散るのだ。美しい。乱歩の超絶傑作だ。
↑丸尾末広の漫画が、乱歩の怪しく耽美な世界観を細部まで描き出していて、すばらしい。
↑乱歩は、一時期かなり夢中で読んでたなあ。『パノラマ島奇談』は、幻想文学の名作だね。
そう、お墓問題。
お墓などいらないし、死んだあとなどどうでもよい。でも、もし叶うなら、花火として夜空に散るのがいいな。
もしくは、大地に還りたい。母なる大地に。
入れ物などいらない。