正社員のむちゃぶりを断る勇気を持てよ【派遣社員が契約外業務を頼まれたら】
派遣社員として働いていると、契約外の仕事を頼まれることがある。派遣で働いている方々なら誰しも経験があるのではないか?
派遣の契約業務の範疇を越えている仕事を正社員から突然振られることは、派遣社員で働いていると少なからず出くわす状況だと思う。
大変悩ましい。そんなとき、どうする?
以前の派遣3年ルールで契約終了となった派遣先で、そういった状況に度々出くわし、モヤモヤしていたことがあった。当時の体験談を交えつつ、私自身の見解について書いてみたいと思う。
個人的業務を派遣社員にむちゃぶりする正社員
当時の派遣先、チームの癌・正社員の山梨さん(仮名)
山梨さんは、派遣社員の私たちにけっこうな頻度でむちゃぶりしてきた。
山梨さんについては、以前の記事で書いているので、どんな人物か併せて読んでいただけると、わかりやすいかと思う。
いや、本当、山梨さんのむちゃぶりは目にあまるものがあった。
私たち派遣メンバーが毎日やっている業務は、日によってボリュームがかなり異なる。忙しいときは、そりゃあもう忙しいが、ゆとりがあるときは、かなりゆとりがある。
山梨さん、なぜか、この日はとても忙しいという日に限って、むちゃぶりをしてくる。その日は、毎月定期的にやってくる忙しい日と認識されていて、山梨さんもそれをわかっているはずなのに。
しかも、そのむちゃぶり内容は、限りなく山梨さん自身の仕事だ。自分でやりきれないものを振ってくる。せめて数日前から指示してくれていたら、私たちも対応できる。
が、なぜか、「今日までなの!お願い!」と突然期日当日にふってくる。
は?
期限が今日だとわかっていたのなら、なぜ前もって仕事を頼まない?そして、毎月のとても忙しい日にふってくる?
この人は・・仕事の段取りができているのか?意外にできていないのか?
常に自信満々だから、仕事ができると錯覚されてしまう典型的なタイプで、面倒臭いこと・できないことをなぜか度々私たち派遣にふってくる。
いや?それは、契約外の仕事だと思うんだ。
私たちはすでに毎日のルーティン業務の中で発生するあれやこれやの仕事があり、まずはそれらをきちんと処理せねばならない。そんな状況の中で、突然、山梨さんが個人的な仕事をふってくるのはおかしいと思うんだ。
私たちは派遣先企業のひとつのチームに派遣されている派遣社員であって、山梨さん個人についている派遣社員じゃない。
派遣社員を私物化するのもたいがいにしろよ?と心の中で思う。
だが、そこは、山梨さんと15年来のずぶずぶの関係である派遣社員の島根さん(仮名)と武蔵野さん(仮名)。彼女のむちゃぶりに対応してしまう。
私ではわかりえない15年間で築かれた彼女たちの関係性があるのだろうし、私は下っ端なので、ただ従うのみだった。
ただ、もし、自分が島根さんや武蔵野さんの立場だったら、現状の仕事量を伝えて、今日は対応が難しい旨、前もって期限がわかっていたならもっと早く指示してほしい旨を伝える。
やはり、言うべきことはきちんと伝えたほうがいいと思うんだ。そうしないと馴れ合いのなあなあの関係になってしまう。
派遣だからって、なんでもかんでもやるわきゃない。冗談じゃない。
なんでもかんでも引き受けたところで、ホワイトな派遣先の正社員たちような潤沢な給料と将来の安泰があるわけでもなし。
調整弁として企業に都合よく利用されているだけの存在の派遣社員を、利用し尽くそうとするのは違うと思うんだ。
正社員がやるべき仕事は正社員がやるべきだ
正社員には、給料に見合う仕事をしていただきたい。ご自分の段取りの悪さゆえにできないことを派遣にふらないでいただきたい。ちゃんとご自分でタスクを管理して仕事を進めていただきたいものだ。
正社員という待遇で、バカ高い給料に長すぎる休暇を度々取得するからには、それらに見合った仕事をするのが当然だろう。
毎回、山梨さんと島根さんたちの関係性は、端からみていて違和感しかなかったが、結局流れのままに、ものすごいスピードで通常の業務をこなして、派遣メンバーたちで山梨さんの仕事をやることになる。
勤続15年の派遣社員・島根さんと武蔵野さんは、本来なら毅然と断るべきなんだ。でも、私にはわかりえない15年来の山梨さんとの関係性から、「やれません」「できません」とは言えない何かがあるのかもしれない(何か弱みでも握られてんの?ってくらいの下僕っぷりで、私には理解できない関係性で、今振り返ってみても釈然としない・・)
私なら言うけどなあ、「できません」と。
無理してやれるところを見せてしまうと、山梨さんは「次も何かあったら派遣のみんなに頼めばいいや♪」となってしまう。
それは違う。あなたがやるべき仕事は、あなたがやるべきなんだ。
とにかく、現状を伝えて、断ったっていいと思うんだよ。明らかに契約外業務と思えるときは。
派遣社員は時給だ。正社員のように休んでも働かなくても保証される給料などない。
だったら、できないもんはできないって伝えるべきなんだ。理不尽な仕事をふってこられた場合、毅然と対応したほうがいい。一度、なあなあで受けてしまうと、ずるずるじゃないの。
当時の私は下っ端の派遣社員として、流れのままに15年選手の派遣社員の島根さん、武蔵野さんに従うしかなかったが、今振り返ってみても、モヤモヤする。
派遣社員という立場の弱さが判断を鈍らせる
派遣社員として勤続年数が長くなると、あれもこれもと業務が増えていく一方で、時給はそのままなんてことも少なくないと思う。
派遣社員という立場の弱さから、明らかに契約外な業務を頼まれて、断りたくても契約更新にひびくかもしれないと、不本意ながら受けてしまうということもある。
とにかく派遣という立場は、弱い。
その仕事を続けていきたいと思っている場合、ちょっとしたことで契約を切られる可能性があるため、理不尽な要求にも従ってしまうといった側面もあると思う。
だから、一概に「契約外の仕事を振られたら断れ」だなんて言い切れない。
ただ、業務を振ってくる正社員には節度をもって派遣社員に接してほしいし、我々は何でも屋でも便利屋でも召使いでもないとだけは伝えたい。
派遣社員として働くスタンスは人それぞれ違うので、契約外の仕事はすべて断るという人もいるだろうし、逆になんでも受けるという人もいると思う。
私はその中間くらいで、時と場合による、そして常態化してくるようだったら何らかの手を打つって感じかもしれない。
契約外業務については、派遣社員なら、誰もが少なからず悩んだことがあるんじゃないかな。
私自身、日々悩みながら迷いながら働いているが、悩みや迷いが手に負えないほど大きくなっていくのだとしたら、派遣会社の営業に相談するなり、何かしらのアクションを起こして、自身が納得して心地よく働ける方向を模索するしかないと思う。