かつて一人暮らしをしていたアパート2軒を訪ねた

長距離散歩をはじめてから、「過去の自分がいた場所」を歩きたいと思った。

自分がかつて一人暮らしをしていたアパート。今どうなってんだろう?

それで、少し前のことになるが、かつて自分が住んでいた街の駅へ降りてみた。私は20代前半から30代前半までの10年間、都内で一人暮らしをしていたんだけど、その間に一度引っ越しをした。だから、2つの部屋で一人暮らしをしたことがある。

まず、ひとつめのアパートに向かった。駅前にあった生活用品を扱うお店のビルは解体され、工事現場となっていた。

駅前はずいぶん様相がかわった。かつてあった個人経営の喫茶店や昔ながらの情緒ある街並みが、チェーン店などに侵食され、なんともチグハグな印象だ。統一感がないというか、バラバラというか・・。

こんな街だったろうか? でも、あの頃のままのお店もいっぱいあって、懐かしさが込み上げる。

はじめて一人暮らしをしたアパートは、大家さんがクレイジーな人物で、いろんな怒涛のエピソードがある。私が住んでいた頃は、大家さんがアパートの周りをウロウロしていることが日常茶飯事で、花壇の花の手入れなんかをしていた。

だから、あの大家さん、今もアパート周辺をウロついてんじゃないかとビクビクしたが、彼女の姿は見えなかった。生きてたら80代くらいか? もう亡くなったか? いや、まだ生きてそうだな。

アパートの外壁が塗り直されて、色がかわっていた。築年数がかなり経っているのでボロい感じになってるかなと思ったけど、修繕したっぽく外観はわりとスッキリしていた。

今もあの頃のまま、アパートは、あった。ただ、そこに至る道のりは、かなり変化があった。なくなった建物、新しくできた建物・・。

それから、次に住んだアパートまで向かった。区は変わったけど、わりと近所で引っ越したので、歩いて行ける(いや、今の私ならそこそこ離れた距離でも歩いてしまうけども)

もうひとつのアパートも、外壁がかわっていて、やはり修繕したっぽかった。明るい雰囲気になっていた。このアパートは、わりと暮らしやすくてよかった。大家さんもいたって普通の人だった。ただ、やっぱりアパートって生活音がどうしても響く。隣人の騒音に悩まされた日々だった。

2軒のアパート、今もあった。どちらも修繕して(外観は)キレイになっていた。今はどんな人が住んでいるのだろう?

かつて私がここに住んでいたなんて本当だったんだろうかと思うほどに、自分の中で時は流れた。客観的にみても、実家に戻ってから10年以上経った今、一人暮らしをしていた時期は、確実に過去になった。

そのあと、数駅離れたターミナル駅に向かって歩いた。

そういえば一人暮らしをしていた頃も、ときどき歩いたものだ。たぶん1時間ちょっととかそんなもんだったはずなのに、当時はけっこうな距離を歩いたと感じた。

今、また同じようなルートを歩いてみて、1時間以上歩いたって、あっという間だ。長いと感じないし、疲れもなかった。

当時の忘れていた些細な出来事の記憶の断片が、足を前に踏み出すたびにこぼれ落ちる。

今後も「過去の自分がいた場所」を歩いてみたいなって思ってる。